公務員や大学職員の夫との離婚に悩む奥さまへ
◎離婚後に必要な資金を確保する
夫が公務員や大学職員の場合、奥さまは専業主婦の方が多い傾向にあります。パートをしている方も一部いらっしゃいますが、離婚後に就職して、離婚前と同じくらいの生活費を稼ぐのは難しいといえます。
生活水準を下げることももちろん必要になりますが、それ以上に、財産分与でしっかりと資金を確保しておくことが大切です。
財産分与の対象となる共有資産を把握する
高収入の夫を持つ場合、その分、共有資産も増えます。離婚してから財産分与の対象となる共有資産を調査するのは難しいため、離婚話を切り出す前からしっかりと共有資産を把握しておくことが大切です。
何が財産分与の対象となるのか、またそれを立証する証拠を準備するにはどうしたら良いのかについては、専門的な知識を要するため、弁護士に相談するのをおすすめします。
離婚問題に強い弁護士であれば、新しい生活に必要な十分な資金を財産分与で確保することができるでしょう。
◎財産分与の対象となるものは?
財産分与の対象となるものには、不動産(自宅や収益物件)、預貯金、生命保険の他、車や家財道具、株式、退職金や企業年金などがあります。
共有財産とは知らずに、財産分与の手続きを取らないのはもったいないです。
ここでは、多くのご家庭に当てはまる不動産、預貯金、保険、退職金について詳しく解説していきます。
・不動産
公務員や大学職員の多くが長期住宅ローンで不動産を購入しています。不動産の価値は「市場価格からローン残高を差し引いた額」で算出されます。このため、不動産の市場価格を評価できる専門家と連携している弁護士にアドバイスを求めることが重要です。
不動産購入時の頭金の支払い者や支払いに使われた資金の出所(結婚前か後か)によって、財産分与の対象となる不動産の価値が変わります。
不動産の財産分与に関しては、専門知識を持った弁護士に相談することが不可欠です。正しい評価がなければ誤った判断を下すリスクがあります。
不動産問題の解決方法には、売却後の代金分割や片方が居住しつつ購入または賃貸するなど多様なアプローチがあります。これらの選択は、不動産の価値と夫婦の希望に基づいて検討する必要があります。このため、経験豊富な専門家のアドバイスが柔軟な解決策を見つける鍵となります。
・預貯金
公務員や大学職員などの夫婦において、一方が預貯金の情報を独占し、他方がそれを知らないことがあります。裁判上、財産分与を求める際には、請求する側が相手方の預貯金の存在を証明しなければ、その預貯金は存在しないものとみなされます。別居後の相手方の預貯金の調査は難しいため、別居や離婚の話が出る前に事前に調査を進めることが重要です。銀行名や支店名が分かれば、弁護士による残高の調査が可能です。
さらに、公務員や大学職員の場合、給与から財形貯蓄が定期的に差し引かれていることがあります。これも財産分与の対象として調査し、考慮に入れるべきです。
・保険
保険で注意したいのは「掛け捨て」なのか「積立式」なのかです。
掛け捨ての生命保険に財産的な価値はありませんが、積立式の場合は財産分与の対象になります。
また、子どもの学資保険についても財産分与の対象となりますので、忘れないようにしましょう。
・退職金
既に支払われた退職金は一般的に財産分与の対象となり、通常は争点になることは少ないです。しかし、未払いの退職金に関しては、離婚を専門としない弁護士の中には詳しくない方も多いようです。現在の大阪家庭裁判所や東京家庭裁判所では、未払いの退職金も財産分与の対象として扱われています。
かつては、「退職まで7年以内(公務員や大学職員の場合は13年以内)であれば、財産分与の対象」とする裁判所の運用がありました。このため、60歳定年制の場合、47歳以上かどうかが一つの基準でした。この運用は法律専門書にも記載されており、一部の弁護士はこの古い運用に基づく説明をすることがあります。
しかし現在では、年齢に関わらず退職金は財産分与の対象とされています。具体的には、別居時に自己都合退職した場合の退職金が財産分与対象財産となります。このような裁判所の現行運用に基づいた戦略が求められます。
退職金に関しては、最新の裁判所の動向を踏まえた戦略が必要です。離婚問題に精通し経験豊かな弁護士に相談することをおすすめします。
財産分与の割合
財産分与の割合は、夫婦双方の職業や年収に関わらず、5:5です。専業主婦の方であっても、財産のうち1/2は分与され、取得する権利があります。
夫婦は、家事や育児など、家のことも含めて“協力するもの”とされているからです。
◎年金の分割について
夫が共済組合に加入している場合、専業主婦だった奥さんは、夫の年金の分割を請求することが可能です。ただし、分割請求が可能なのは、婚姻期間中に納めた掛け金のみです。
婚姻期間が長いほど多くもらえるしくみとなっているため、勤務年数が短い若い人の場合は少額になることが多いです。
婚姻費用と養育費の算定について
【POINT①】婚姻費用や養育費は夫婦の年収等によって算定される
家庭裁判所では、夫婦の年収や子どもの年齢、人数から算出される算定表を提示しています。基本的にはこの「婚姻費用・養育費算定表」を用いて算定するものです。
ただし、少しでも婚姻費用や養育費を減額したいと、年収を明らかにしない旦那さんも少なからずいらっしゃいます。隠されないためにも、離婚話に発展する前からしっかりと調査しておくことが大切です。
【POINT②】子どもの学費について
子どもの学費は、国公立と私立で大きく変わります。家庭裁判所の提示する算出表はあくまでも国公立に通うものとして計算されているので、私立の学校に通学中のお子さんがいる場合、入学予定の場合などは、その学費分を上乗せして請求することができるケースもあります。
私立の学費を上乗せできる事実は、離婚を専門とする弁護士にとって最早常識ですが、離婚問題に詳しくない弁護士の場合、知らない可能性もあります。そのため、弁護士に相談する際は、離婚問題の実績のある弁護士を訪ねることをおすすめします。
また、私立の学校に通学することを承諾していたかどうかでも請求できる金額が変わってきます。学校ごとにかかる学費も大きく異なるため、それぞれの事案で交渉するような形となります。
専門知識のない弁護士にお願いすると、誤った解決がされることもあります。お子さんのためにも、なるべく離婚に詳しい弁護士をあたりましょう。
婚姻費用や養育費、財産分与のお金を支払わない場合はどうする?
公務員や大学職員の夫が、調停や裁判で定められた婚姻費用、養育費、財産分与を支払わない場合、会社員等と同様に強制的な回収手段が存在します。この手段とは、夫の給与に対する強制執行、すなわち給与の差し押さえです。
給与の差し押さえが行われると、夫の勤務先は夫に対して給与や賞与の全額支払いができなくなり、一部を妻に支払う義務が発生します。もし夫が退職して逃れようとしても、退職金からも回収が可能ですのでご安心ください。
数ある離婚問題の中でも、夫から強制執行による回収を経験している弁護士に相談することで、よりスムーズに支払いを命じることができます。お金の問題は生活にも大きく関わってきます。
納得の行く離婚をするためにも、まずは、一人で悩まず、弁護士法人ハレにご相談ください。
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